義父の帰天


またまたご無沙汰していました。
しばらくばたばたしていました。


先週、義父が亡くなりました。

義理の家族のなかではわたしはこの義父がいちばん好きでした。
おじさんには3人の姉がいて、いちばん年上の姉ははなこ母より2~3歳年下。
末っ子のおじさんははなこより6歳年上。
なので義父にとってわたしは孫のほうに年齢がちかく、
わたしに自分のことを話すときはいつも「おじいちゃんはね、」と言っていました。

ずっと心臓が悪かったこともあって、彼の死は家族のだれにとっても
信じられない、とか、すごくショック、というわけではなかったようです。
おじさんは、最期の瞬間に家族がだれもそばにいなかったことを
悔やんでいたようですが、わたしならだれにもそばにいてほしくないので
義父ももしかしたら自分でその瞬間を選んだのかもしれない、と思います。

ドイツって亡くなってから葬儀までがけっこう長いんです。
教区の司祭さまの手が空いているときに予定が組みこまれるし、
検死などが必要な場合、週末はそういった機関が動かないし、
知人のご主人なんて死後半月以上経ってからの葬儀でした。
火葬を希望の場合、火葬されてからが葬儀となります。
なので義父も、礼拝堂中央には骨壺と遺影が置かれた式でした。

骨壺が置かれた台からは白くてふわふわした生地が床のうえまで流れて広がり、
そこに小さなキャンドルがたくさんと深紅の花びらが散らされていて
とてもあたたかで感じのいい空間になっていました。
司祭さまの入場の際のオルガン演奏は、バッハのアリアでした。
飾られたお花も白いバラと赤いガーベラで、お祝いみたい。

お祝いなんですね。だって天の国に帰ったのだもの。

墓地の片隅の小さな礼拝堂は葬儀専用なのですが、
ここがなんとも不思議な空間でした。
たくさんの人たちがたくさんの人たちをここから見送ったからでしょうか、
地上の悲しみと天上の喜びがまざったような不思議なパワーのある空間。
でも、喜びのほうが強いんですよ。泣かないでね、って言ってる。


ドイツのお墓は、基本的に25年間契約のようです。
契約、という言いかたがただしいのかどうかよくわからないのですが、
基本的に埋葬してから25年間その場所が故人のお墓になります。
が、遺体が完全に土に還る25年後には、別の人のお墓になります。
配偶者がとなりに埋葬されたい場合は、
あとから死んだほうにあわせて25年を数えます。
遺骨の場合は土に還るもなにもありませんが、同じく25年契約だそうで。


うさ奈さんにお借りした黒いワンピースと、
猫山さんに借りた黒いバッグとダークグレーの上着で参列してきました。
ワンピースは下は黒タイツでもよかったのですが
膝上丈だったのでズボンにして、チュニック風にして着ました。


ドイツのお葬式は服の素材はなんでもよくて基本黒ならじゅうぶん、
その黒も、ラメ入りでも柄ありでも銀のスパンコールが散っていてもOK、
はてはグレーでも紺でも大してかまわないのですが、
義姉2は黒の革のジャケットに、黒光りする革のロングブーツ。
これはさすがに「ロックコンサートに行くわけじゃあるまいし」
などとささやかれていました(笑)。


義理家族のなかでいちばん好きだった義父が帰天したのですが、
悲しいとか寂しいとは感じないんです。だって、また会えますからね。
以前勤めていた介護施設ではその2年のあいだに
仲良くなったおじいちゃんおばあちゃん20名強とお別れしました。
死によって洗われるものってあると思うし、
死によって結ばれるものもあると思うんです。すがすがしく透明なきずな。


いってらっしゃい。
次の世界、つづきの世界に。






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コメント

No title

私も向こうで何度か葬儀や、旅先で知り合った方のお別れ会に出席したりして、考え方がかなり変わりました。大好きな人の墓石がテーブルみたいになっていて、よくそこにピクニックに行ったり、遠出をして、暗くなってから近道のために1人で墓地の中を歩いて帰ってくると、色んな人に会ったりして、悲しいとか、淋しいとか、怖いとか、そういう気持ちはまったくなく……あ、でも、これは子供の頃からそうだったから、ちょっと違うのかな?

25年契約。ほほぉ。そういうのがあるんですね〜
英国はどうなんだろう?来週、友達が来日するので、その時に聞いみよう!

2017/03/11 (Sat) 20:46 | へたうま #QmHJkZRE | URL | 編集
へたうまさん

おお、仲間がいて嬉しいですi-189
わたしも暗くなってからでも墓地を歩くの平気なのでw
子どものころから?
わたしはおとなになってからです。
見送った人や動物の数がふえるほど死が親しいものになってきてるので。
生の一部、人生の一部、日常生活の一部なんですよね。

25年契約、いいですよね!ドイツらしく合理的で(笑)
そうしないとお墓がふえるいっぽうですし・・・
英国の墓地事情もぜひ聞いてみてください!

2017/03/12 (Sun) 06:35 | はなこ #- | URL | 編集
No title

はなこさん こんばんは
お義父様が亡くなれたのですね お悔やみ申し上げます
国によって 葬儀も 様々なのですね
赤いガーベラですか 日本とは随分と景色が違いますね
本当に 笑って故人を送る国もあるようですし…

いろんなかたちが あっていいですよね

日本では その後 3回忌7回忌と いろいろ続きますが
わたしが おばあちゃんになる頃には わたしには 子も
甥っ子姪っ子もないし そんなのないだろうなぁ…
天国で ジョー君とマックス君と 一緒なら
あとのことは なにも心配いらないね
きっと 今のご時世 そういう人が 増えてくるのでしょうね

2017/03/12 (Sun) 18:37 | geohking #- | URL | 編集
geohkingさん

こんばんは!
お悔みありがとうございます。
葬儀も国によって本当に様々ですが、
それによって死に対する印象も左右されますね。
赤いガーベラ、故人に対する愛情の象徴のようであたたかでした。

笑って見送る国もあるんですね!

わたしにも子どもも甥も姪もいないので
わたしのときは葬儀さえないかも(笑)
でもそれ、すがすがしくてシンプルでいいな。
天国では大好きなみんなとずっと一緒ですからね。
心配どころか喜びしかないから大丈夫!

2017/03/12 (Sun) 23:10 | はなこ #- | URL | 編集
No title

そちらはお葬式までにそんなに時間がかかるのですか!?
こちらは2、3日中にお葬式して即埋葬です。
ほぼ土葬で火葬は珍しいらしいのですが、火葬の場合も教会でお葬式の後すぐらしいです。
イタリアの方が早いとは意外です☆

こちらのお葬式やお墓も暗いとか悲しいイメージはあまりないです。
服装も一応暗めの色とされているようですが、
真っ赤なポロシャツにジーンズというような普段着の人もいたりします☆

こちらは土葬の他に建物の中に作ったコンクリートで出来た奥行きの深いロッカーの
ようなものに埋葬していて驚いたのですが、ドイツにもそういうのがあるのでしょうか?

2017/03/13 (Mon) 00:05 | koume #- | URL | 編集
koumeさん

イタリアのほうが早いとは、衝撃的ですね(笑)
こちらも土葬のほうがまだ多いし、
若い人はともかく義父の世代で火葬希望はめずらしいかな・・?

ブログには書きませんでしたが、義父のお墓もロッカー式なんです。
屋外に煙突みたいな太いコンクリートの柱がいくつか立っていて、
縦に5つくらい扉があるんです。骨壺が2つ入るように(配偶者用かと)
奥行きがあるみたい。お墓というより骨壺ロッカーですよね・・・
これだとお花を植えたり手入れしたり草むしりしたりの必要がないので、
高齢の義母にはいいのかも。

黒の喪服じゃなくてもいいのはいいけど、
真っ赤なポロシャツはドイツでもさすがにないですよ!!
さすがイタリアン!!

2017/03/13 (Mon) 01:32 | はなこ #- | URL | 編集
No title

こんにちは。
お義父さまのこと、お悔やみ申し上げます。

ブログ拝見してても、心のこもった暖かいお葬式だったのが伝わってきます。
大勢の方たちの想いが昇華した(日本語合ってる?)、素敵な空間ですね。

お義父さまもきっと、かわいいはなこさんに「いってらっしゃい」と
送り出していただけて、嬉しかったと思います。
きっとまた、つづきの世界で会えますね!!

「おじいちゃんはね、見守っていたんだよ、はなこのことを」って
おっしゃるのかな?

ちなみに、うちはお寺なのですが、やはりロッカー式です。
その年代には珍しい合理的思考だった祖母が、「祖父のために」と
即断したらしいのですが、結局一番先に、祖母自身が入りました^^

2017/03/13 (Mon) 03:35 | はる #t5aMAyEU | URL | 編集
はるさん

義父へのお悔やみ、ありがとうございます。

けっこうな人数が参列したのでびっくりでした。
義父の娘の旦那さんのご両親が来るのはわかるのですが、
それだけじゃなく親族総出で来ていたりして・・さすが田舎(笑)?

お寺さんにもロッカー式のお墓があるのですね。
たしかに場所はとらないしお花の世話は要らないし合理的ですよね。
でも「祖父のため」だったのにおばあさまが一番に入ったって・・w

はい、つづきの世界でまた会いたいです。
というか、会います!
これまでお空に帰ったみんなみんなとね。

2017/03/14 (Tue) 05:31 | はなこ #- | URL | 編集
No title

こんばんは。
お義父様のこと、お悔やみ申し上げます。

ふわふわの白い生地に真紅の花びらがまき散らされているなんて、
ふと思い出したときなどでも、悲しく暗い気持ちにならずに偲ばれ
そうですね。

お墓が25年間契約というのも日本人的にはびっくりしましたが、
考えてみると私自身つづきの世界に行って、決してお墓の中に
居続けるわけではないので、その方が後の負担が少なくて良いかも
と思いました(子供がいないので、どのみち後の負担は無いです
けどね 笑)。

2017/03/14 (Tue) 20:45 | citystranger #TzD7Cqrk | URL | 編集

帰天っていう言葉はきれいな言葉だなぁって、
聞くたび思います。

近くにいてもなかなか会えない人より、
距離が近いような気持ちになりますね☆

いつかまた会えることを信じて、
そのためには、自分もちゃんと天国に行けるように、
日頃から行いよくしなくてはー(^o^;)

時に寂しく感じることもあるかもしれないけれど、
お義父様も、お義父様と親しかった方たちも、
安らかでありますように☆

2017/03/14 (Tue) 23:44 | はる。 #u6lKHnok | URL | 編集
citystrangerさん

こんばんは~。
お悔やみ、ありがとうございます。

そうですね、あまり暗く陰気で白黒なのよりずっといいですよね。
あたたかな式のほうが(気温は寒かったんですけど・笑)義父本人も
見送る側にとってもずっといい。
雨で暗かったけど照明はなくてキャンドルの炎だけ、っていうのもよかったです。

人は(ほかのどんな生きものも)「お墓に入る」なんてことは決してないから
あまり重要視しなくていいかと思うんでけどね・・・。
25年経って、遺体が分解したら掘りおこして次の人に。
さっぱりしていてよくないですか(笑)

枕元に海の骨壺を置いてありますしそれはとっても大事だけど、
それに向かって話しかけることなんて皆無だしなぁ。
ところで、皆無と書こうとしてもまずは「カイム」って変換されますよw

2017/03/14 (Tue) 23:49 | はなこ #- | URL | 編集
はる。さん

ね、帰天ってきれいな表現ですよね。
そう、距離が近くて安心なイメージもあって。
いまはもうただただ幸せと喜びにつつまれているんだろうな。

また会える、なんて思っていて自分だけ地獄行きだったら困る(笑)
海に会えるように、よい行いをしてよい心がけでいなくては!

雨ですごく寒い日でしたけど、礼拝堂のドア開けっぱなしだったんです。
係の人がドアの脇にいたのに、閉めてくれない。
じっと座ってると足が氷みたいに冷たくなってきて・・
悲しいどころじゃなくなってくる。
あれはもしかしてわざとやっていたんでしょうか(笑)


2017/03/15 (Wed) 00:14 | はなこ #- | URL | 編集
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2017/03/16 (Thu) 01:03 | # | | 編集
非公開コメントKさま

はじめまして。コメントありがとうございます。
以前から読んでいてくださっんですね。

うさぎさん、お空に帰ってしまったのですね・・
まだ日も浅いですし、傷口は深くどんなにお辛いことかと思います。
そんななか、この海ブログがほんのちょっぴりでも心を軽くする
お手伝いができたのなら嬉しいです。きっと海パワーですよ!

また会えるのは本当の本当です。
Kさんがいまから電車に乗って友だちの家まで歩いて
玄関のチャイムを押したら友だちが笑顔で出てくる、
それが確実なのと同じくらい確実に。
だから、時間薬が効いてきたら元気になれますように。

はい、こちらは朝晩はまだかなり寒いです。
日本はそろそろ桜の季節かしら?



2017/03/17 (Fri) 01:34 | はなこ #- | URL | 編集
ありがとうです

ありがとうございます。
...ありがとうございます。
っ...ありがとうございます...

じわっときて
うるっとして
ふわっとなり
かみしめました。

日本の桜はそろそろやってきます。
ドイツもそろそろ春でしょうか。

2017/03/19 (Sun) 02:14 | K #4JcWZNxE | URL | 編集
Kさん

ふわっとなってくれたのなら嬉しいです♪

ドイツも花が咲きはじめていますよ。
水仙やクロッカス、車窓から見える桜みたいな花。
お天気のいい日にきれいに写真が撮れたら載せますね!

2017/03/19 (Sun) 06:44 | はなこ #- | URL | 編集
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2017/03/20 (Mon) 16:47 | # | | 編集
非公開コメントFさま

ありがとうございます。

義父はいまごろ天国にいる彼のかわいがった猫たちと
日のあたる果樹園でのんびりお昼寝しているかなぁ。

2017/03/21 (Tue) 21:51 | はなこ #- | URL | 編集

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