うさぎと飛行機②

むかしわたしがうら若い乙女だった頃、病院で聞いた話。
耳鼻咽喉科にはよく飛行機で耳をやられた人が来る。
トンネルに入ったときのぼーっとした感じが着陸後もぬけない、
あるいは離着陸時の耳の激痛が消えない、など。
離着陸時の気圧の変化が耳に与える影響はけっこう大きいのだ。
 
検疫やドイツ入国、飛行機でのうさぎの扱いなどの情報は
集めるのに手間暇はかかるけど、いずれは集まる。
けれど一番知りたかったこと
離着陸時、それから上空でうさぎがどうなるのか、という情報は
どこをどう調べても皆無でした。
そもそも、うさぎを連れて海外へ行った人の数ってとても少ないし。

もし人間よりはるかに繊細な耳を持つうさぎが激痛に苦しんだら・・・
そうなってから「降ります!」というわけにはいかないじゃないですか!
離陸時の妙な圧力や轟音、浮遊感。地上ではありえないことばかり。
もしうさぎが恐怖のあまり体調を崩してしまったら・・・
気流の乱れによるジェットコースター級の急降下に心臓麻痺を起こしたら・・・
でもそんな情報はどこからも得られなかった。

さて、飛行機に乗ってとりあえず前の座席の下に入れられた海。
本当は膝に乗せて、安心するように声をかけてあげたかったけれど
透明な上蓋から目を丸くして一心にわたしを見上げている海に
大丈夫だよと伝わるように、チェシャ猫のような笑顔を見せる怪しい女。
エンジンの轟音が轟き、機体は上空へ。ひきつる笑顔。

そしてやっとシートベルト着用サインが消え、キャリーを膝に乗せて・・・
海、けろりんぱ。あれ?
好奇心でいっぱいの顔をして、撫でようと少し開けた蓋のすきまに
鼻をねじこんで無理やり出てこようとする元気。
隣の座席に落ち着いて、持参した新鮮にんじん葉やたんぽぽを差し出すと
大喜びでむしゃむしゃ食べる。もっと と催促する。
腸の動きがとまらないように、なにを食べてくれるかわからないから
ありとあらゆるものをかばんいっぱいに詰めこんできたのだけど
それらを海は片っ端からもりもり食べた。起きているときはずっと。
機内でお水をもらって作り直したアクアライト(粉末の りんご味)も
添乗員さんにもらったりんごジュースも大喜びでごくごく。

海って、知らないおうちに連れていくとナーバスでぴりぴりになり
●が小さくなり、食欲も落ちてしまう、とっても繊細で神経質なうさぎ。
その、わたしの知ってる海はどこに行ったの・・・というくらい
海は元気ではつらつとしていた。飼い主はぽかーんとするしかなく。あれー?

IMG_3996_convert_20130516035734.jpg
↑あっちのほうも見たいよ
注:添乗員さんの目を盗んで撮影、見つかったら叱られると思います。

死ぬほど心配で胃や心臓を雑巾しぼりした飼い主、
海は飛行中ずっと元気で、覗き込む添乗員さんににこにこして見せたり
うとうとしたり、また目を覚ましておやつを催促したり。
乗り換えがあるのでけっきょく2回の離陸と着陸があったわけですが、
いずれもまったくけろりとしておりました・・・あれー?
飛行機というのは電車や車とちがって移動しているという感覚がないし
なにも知らない海にとっては、ただ飼い主と知らない人たちがたくさんいる
見慣れない変わった部屋に10時間滞在した、としか思ってないのかな。
自分がオーロラの見えるムーミンの国に向かっているなんて
知ることがあったらどんなにびっくりするだろう。

ヘルシンキ空港のムーミンショップのまえで記念撮影したかった!
海、フィンランドにいるよ!っていうすばらしい記念になったのに。
入国審査に時間がかかりすぎて、ショップのまえを走って通過するはめに(涙)

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コメント

はじめまして

ブログ初心者ですが、初めて読ませていただきました。
とても感動しています。
時間がかかるとは思いますが、全部読みたいのでよろしくお願いします。

2016/07/10 (Sun) 18:23 | IZUMI #RAXPy6BM | URL | 編集
IZUMIさん

ご訪問、コメントありがとうございます。
嬉しいです。
きっといまごろゆず君は海と友だちになってくれてるかもしれませんね。これからもよろしくお願いします。

2016/07/10 (Sun) 23:42 | はなこ #- | URL | 編集

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